利益を守る契約書の作り方

今日の話のポイント

契約書の意味について改めて考え、ポイントを押さえる
設例を通じ、紛争になった場合のイメージを掴む
利益を守る契約書を作る

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なぜ契約書が敬遠されるのか?

習慣がない(業界の慣習)
時間がない(コスト)
作り方が分からない(知識)
今の時代、本当にそれでよいのか?
契約書の意味は…?
法律よりも契約が優先するということは…
契約書であらかじめ自社に有利な内容にしておけば、事後にトラブルになったとしても利益を守ることができる
 

リスクマネジメントの役割

契約書で押さえておきたい3つのポイント
ポイント①
取引の範囲は明確か?
ポイント②
契約違反の場合はどうするか?
ポイント③
契約書にない場合はどうするか?

 

設例(システム開発の請負)
A社はB社から、独自の自動木材カットのシステム開発を、代金1000万円で受注した
A社担当者はB社担当者と協議しながら制作を続け、1年後、注文を受けて木材が自動的にカットされるシステムを作った。そして、検収が行われ、代金1000万円が支払われた(補助金も出た)
 
設例
ところが、カットのバリエーションが少ないなど、補助金の申請内容までには至っていなかった
そのため、B社はバリエーションを改良するようにA社担当者に言い続けたが、遂に担当者が倒れてしまった。その結果、システムが止まり、B社は大口の取引先を失った
 
設例
B社はA社に対して、システムが完成していないために業務がストップし、取引先も失ったとして、契約を解除し、代金1000万円の返還と3000万円の損害賠償を請求した
逆に、A社はB社に対し、追加作業の人件費だけで優に1000万円を超えているとして、1000万円の追加報酬を請求した
 

取引の範囲でよく起こるトラブルとは?

【発注サイド〔B社〕から見た場合】
これくらいは当然やってくれるだろう
【受注サイド〔A社〕から見た場合】
追加した分の費用は、当然支払ってくれるだろう
「どこまでやるか」の認識の違い
 
 
システムは完成していた?
【発注サイド〔B社〕から見た場合】
バリエーションが少ないし、結局動いていないんだから、完成していないじゃないか。
【受注サイド〔A社〕から見た場合】
動くところまで作ったし、検収もしたのだから完成している。バリエーションを改良するのは追加だ。
 
 
「完成」のポイントは?
当初予定されていた最終の工程まで終えているか否か?
契約(合意)の内容で決まる
(≠商慣習、検収)
立証責任のリスクとは…
急ぎの注文であり、独自のシステムであったため、書類上は明確に仕様が定まっていなかった
A社:当初はそんな話はなかった
B社:当初から言っていた
「言った言わない」のリスク
 

立証責任のリスクとは…

「完成」の立証責任は、請負人にある
A社に、契約では最初のバリエーションだけ制作することが決まっていたことを証明する責任がある
証明できない=完成していない
 

追加費用を請求するためのポイントは?

当初予定されていた内容と区別できるか否か?
当初の契約(合意)の内容
追加の契約(合意)の内容
ポイント 契約違反の場合どうするか?
損害賠償はどう定めるか?
違約金とは?
早く解消するためには?
損害賠償はどう定めるか?
単純賠償条項は無意味
 ∵法律と全く同じ
損害賠償でよく問題となるケース     「逸失利益は?」「慰謝料は?」
→いずれも詳細な証拠がなければ難しい
 

損害賠償で有効な違約金とは

違約金とは…損害賠償の予定
裁判所は任意に変更できない!
例えば…
「甲の責めに帰すべき事由により、乙が本契約を解除したとき、乙は甲に対して違約金2000万円を請求することができる」
違約金を定めておけば…
【発注サイド〔B社〕から見た場合】
損害額の立証が不要になる
【受注サイド〔A社〕から見た場合】
限界値があるため、最悪の場合を想定して交渉できる
 

早く切り離すためには…

 履行遅滞による解除の場合、相当期間を定めた催告が必要
無催告解除条項の活用
清算条項入りの書面作成
ポイント③ 契約書にない場合どうするか?
誠実協議条項は役に立つか?
後で合意書を作ったらダメか?
文書契約書以外の客観的証拠はどんなものがあるか?
誠実協議条項は役立つか?
「本契約書に定めのない事項、または、本契約の事項の解釈に疑義が生じた場合は、民法・商法および取引慣行に従い、当事者は誠意をもって協議し、円満解決を図るものとする。」
→99%役に立たない
∵契約書が取り沙汰されるのはトラブルが起きた後/裁判となった後
 

後で合意書を作ったら?

後で合意書を作ってもOK
当初の契約について合意する形にするのがポイント
 ↓
 当初の契約と一体の書面になる
 

契約書以外の客観的証拠は?

見積書、図面
要求仕様書
要件定義書
各種設計書
打合せ議事録、メール
 

なぜ契約書を作るのか?

法律の世界の大原則            「合意が法律に優先する」
合意を書面化したものが契約書     「言った言わない」リスクを回避
リスク・トラブルを見据えた契約書を作れば利益を守ることができる
(リスクマネジメント)

 

(顧問)弁護士の活用方法は?
契約書で押さえるポイントはどこか?(契約は協働作業である)
契約違反があった場合にどう対応するか(裁判までやるべきか)?
裁判になった場合にどう対応するか?
利益を守ることに繋がる
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講演実績

セミナー・講演分野一覧

【交通事故】 【離婚】
【相続】 【福祉・成年後見】
【不動産】 【その他】

 ※リンクから各講座のテキストをご確認いただけます。

 ご参考になれば幸いです。



交通事故

H28. 7.21 H28全労済交通事故研修  【担当:板村弁護士・藤村弁護士
H27. 4.22 認知症高齢者による交通事故の予防と法的責任 【担当:板村弁護士】
H26. 8. 8 交通事故研修-主婦休損と過失割合について 【担当:板村弁護士・藤村弁護士
H26. 7.29 交通事故研修-過失割合について 【担当:藤村弁護士】
H25. 9.10 第1回交通事故研修会 ~第1部 「交通事故と損調専門職」~【担当:板村弁護士・藤村弁護士】


離婚

H26. 2. 8 DV防止研修会パネリスト



相続

H29. 2.25 遺言書作成支援に関する留意点~遺言者に寄り添った遺言書作成に関する弁護士の意見~
      【担当:藤村弁護士】
H28. 2.27 遺産分割協議をスムーズに行う方法~遺産分割調停等の現場から観た弁護士の意見~
      【担当:藤村弁護士】
H27. 5.14 消費生活講座「よくわかる遺言」~遺心伝心~ 【担当:藤村弁護士】
H26. 6.21 賃貸住宅セミナー よくある相続トラブルとその予防法 【担当:板村弁護士】
H26. 5.16 相続と資産防衛 今,知っておきたい実践セミナー  【担当:板村弁護士】 
H26. 2.11 相続対策と確定申告・節税セミナー 【担当:板村弁護士】
H25. 5.12 消費生活講座よくわかる相続・遺言・後見



福祉・成年後見

H29. 9.22 高齢者虐待防止研修「虐待防止と権利擁護について~弁護士の視点,社会福祉士の視点から~」
      【担当:板村弁護士】
H29. 9.14 山口県ケアマネ協会講演「~裁判例から見る~施設ケアマネジメントにおけるリスクマネジメント」
      【担当:板村弁護士】

H28.10.27 防府緩和医療懇話会「裁判例からみる在宅介護のリスクマネージメント」 【担当:水野弁護士】
H28. 8.23 防府ケアマネ協会研修「神戸玄関チェーン事件で考える徘徊事故のリスクマネジメント」 
      【担当:板村弁護士】
H28. 2.14 第32回華城地区社会福祉大会「老後を賢く安全に暮らすために」 【担当:板村弁護士】
H27.12.15 防府市高齢者虐待対応研修会 経済的虐待へのアプローチ 【担当:板村弁護士】
H27. 7.20 ソーシャルワーカーデー「なぜ社会福祉士を取得したのか~弁護士と社会福祉士の視点の違いから~」
      【担当:板村弁護士】
H27. 1.22 介護サービスにおけるリスクマネジメント 【担当:板村弁護士】
H26.12. 5 労働者健康福祉機構の未払賃金立替払制度に関する研修会 パネリスト 【担当:藤村弁護士】
H26.10.25 介護保険サービスにおけるリスクマネジメント 【担当:板村弁護士
H26. 9. 25 施設内障害者虐待防止研修 【担当:板村弁護士
H26. 8. 4 未成年後見制度について 【担当:板村弁護士
H26. 6.11 成年後見と医療同意について  【担当:板村弁護士】
H26. 4.24 消費生活講座 よくわかる成年後見制度  【担当:板村弁護士】
H26. 4.19 介護支援専門員のリスクマネジメントセミナー  【担当:板村弁護士】
H25. 3.24 虐待防止と権利擁護を語る
H25. 2.10 「認知症疾患医療センター研修会」
H24.11.14 「H24.11.15 高齢者・障害者の権利擁護に関する弁護士会の取組みパネリスト」
H24.11. 4 第2回山口芸術短期大学キャリアアップ事業 『施設現場における虐待を考える』
H24.10. 2 平成24年度 法人成年後見研修会講師
H24. 3.27 山口県障害者虐待防止・権利擁護研修会講師(障害者虐待防止法)
H24. 3. 2  高齢者虐待対応関係者研修会講師(高齢者虐待防止法)
H23. 9.15 成年後見講義講師(山口県立佐波高等学校)
H22.11.16 成年後見活用講座講師(高齢者虐待防止法)



不動産

H29. 7. 8 プロが教える立退き交渉術~最近の裁判例から見る「正当事由」の感覚~【担当:板村弁護士,藤村弁護士】
H26. 4. 5 入居者とのトラブルを防ぐ法律知識セミナー   【担当:板村弁護士】
H26. 1.18 プロが教える立退き交渉術(H26.1.18) 【担当:板村弁護士】
H25.12. 8 ほっぷ主催 不動産オーナー向け資産活用セミナー 【担当:板村弁護士】
H25. 3.12 山口県土地家屋調査士会防府支部研修会



その他

H29.10. 3 不当要求防止責任者講習 【担当:板村弁護士】 
H29. 7.19 主権者教育講演(下関工業高校) 【担当:藤村弁護士】
H29. 6.22 主権者教育講演(厚狭高校) 【担当:藤村弁護士】
H29. 3.14 主権者教育講演(萩光塩高校) 【担当:藤村弁護士】
H28.12.14 主権者教育講演(萩商工高校) 【担当:藤村弁護士】
H28.10.20 周南市介護支援専門員研修会 個人情報の取扱いについて 【担当:板村弁護士】
H27.10.16 弁護士が語る、消費者トラブル 【担当:藤村弁護士】
H27.11.11 マイナンバー研修「マイナンバー漏洩の法的責任と対策」 【担当:板村弁護士】
H26.12. 4  不当要求防止責任者講習  【担当:板村弁護士
H26.11. 7 第81回民暴山口大会第23回山口県暴力追放県民大会 【担当:板村弁護士
H26. 8. 9 山口県行政書士会業務研修会-ペットに関する紛争の解決方法 【担当:藤村弁護士】
H26. 2.10,2.17 消費者教育講座~さあ,お金の話をしようか~ 【担当:藤村弁護士】
H26. 2. 1 山口県弁護士会 新人実務研修 【担当:板村弁護士】
H25.12.10 2013年度国土交通省山口河川国道事務所法律相談研修会講師
H25.11.16 山口県行政書士会 法的知識研修会 【担当:藤村弁護士】
H25.11.14 不当要求防止責任者講習
H25. 9.26 やまぐち消費者大学「情報通信サービスに関する相談と法律」【担当:藤村弁護士】
H25. 9.21 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」 (再改訂版)の解説【担当:藤村弁護士】
H25. 4 .4 利益を守る契約書の作り方
H25. 2.23 山口県行政書士会法的知識研修
H24.11. 1 第21回山口県暴力追放県民大会
             大会の様子が山口新聞に取り上げられました。
H24. 9. 5  山口県証券警察連絡協議会講師
H24. 7.27 2012年度国土交通省山口河川国道事務所法律相談研修会講師
H24. 7.12 不当要求防止責任者講習講師
H23.11.16 企業防衛対策協議会講演講師(暴排条例について)
H23. 8. 9  不当要求防止責任者講習講師
H23. 8. 3  司法修習生及び若手会員対象選択型修習講師(高齢者虐待防止法)
H23. 2.15 平成22年度高等学校消費者教育講師(小野田工業高等学校)
H22. 9. 8  司法修習生及び若手会員対象選択型修習講師(高齢者虐待防止法)
H22. 7.27 山口県警 司法改革制度講演講師(裁判員裁判について)
H22. 6.14 不当要求防止責任者講習講師
H22. 3. 8  消費生活相談員養成講座講師(特定商取引法)
H21.11.26 消費生活相談員養成講座講師(特定商取引法)


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